化学辞典 第2版 「橋かけ結合」の解説
橋かけ結合
ハシカケケツゴウ
crosslinkage, bridged bond
架橋結合ともいう.【Ⅰ】ノルボンナン系化合物にみられる,環にまたがるメチレン(ケトンの場合もある)の2個のC-C結合がそれに相当する.その先端の原子を橋頭原子(bridgehead atom)という.【Ⅱ】ジボランや塩化アルミニウム二量体では,通常は一価のHやClが2個の原子と結合して橋かけをしている.このような橋かけ結合は,三中心σ結合とみられている.【Ⅲ】鎖状結合した分子中の任意の2原子間に,橋をかけるようにして形成された結合をいう.たとえば,エチレンオキシドのエーテル結合は分子内橋かけ結合の例である.また,ケラチンなどのタンパク質ではシスチンによる分子間-S-S-結合が,ゴムの加硫においては-S-結合が橋かけ結合となり網目構造を形成している.橋かけ結合は,おもに共有結合であるが,イオン結合,水素結合などに対してもそのように称することがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報