橋之川村(読み)はしのかわむら

日本歴史地名大系 「橋之川村」の解説

橋之川村
はしのかわむら

[現在地名]那智勝浦町はしかわ

たか山の東南方、入江(ゆかし潟)北西小谷にある。慶長検地高目録によれば村高五四石余。文政元年(一八一八)の郷帳(「那智勝浦町史」所収)によると、田畑五町五反余、家数七で内訳は本役一、庄屋肝煎・歩行三、半役一など、人数三二(男一六・女一六)、牛四、猟師鉄砲一。大田組に属し、和歌山藩新宮領。

「紀伊名所図会」は、村の様子を「僻遠の地とて、人情質朴野卑にして、住民悉く農業に励めど自他を別たず随て習字算術の法を弁へず、されど年ごとの貢ものは更に滞ることなし、故に一村に公事訴訟ごとなど起ること絶えて無く、用ある時は互ひに口づから伝へて、記憶すべき事はたゞ心覚えの符号を以てして何事も足らざるなし」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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