家庭医学館 「機能的構音障害」の解説
きのうてきこうおんしょうがい【機能的構音障害 Functional Articulation Disorder】
子どもは、ことばの発達にともなって少しずつ正しい発音を覚えていき、6歳前後でほぼすべての日本語の音のパターンを出し分けられるようになります。たとえば3~4歳の子どもが母親のことを「おかあしゃん」と呼ぶのは、正常な発達経過にみられる未熟な発音と考えられ、構音障害とはいいません。
これに対し、発語器官に形の異常や運動障害がないにもかかわらず、その子どもの発達段階を逸脱し、ときには成人までもち越して固定した発音の誤りを、機能的構音障害といいます。
[検査と診断]
ほかの原因による構音障害を見落とさないために、発語器官の形態と運動、聴力、言語発達などの検査を行なって診断します。症状の詳しい把握には、言語聴覚士(げんごちょうかくし)による構音検査が必要です。
[治療]
正常の発達過程を逸脱した発音で、放置すると年長までもち越して固定すると判断されると、言語聴覚士による訓練が行なわれます。