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構音障害 こうおんしょうがいdysarthria

翻訳|dysarthria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

構音障害
こうおんしょうがい
dysarthria

言語障害のうち,正しく発音されないものをいう。声帯振動によってつくられる原音は,喉頭から上に続く咽頭口腔鼻腔などの付属腔に共鳴して音声となる。付属管腔に形態的または機能的異常があると正しい語音をつくることができない。この状態を構音障害という。発語の最初に音をまちがえる訥語症 (難発性構音障害) ,このうちたとえばサ行とかカ行のように特定の行だけまちがえる散発性構音障害,あるいはまた会話が不明瞭なほど障害音の多い汎発性構音障害などに区別される。

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デジタル大辞泉の解説

こうおん‐しょうがい〔‐シヤウガイ〕【構音障害】

構音器官の器質的・機能的な障害や構音に関与する神経の障害によって、語音を正しく発音できない状態。→発声障害

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百科事典マイペディアの解説

構音障害【こうおんしょうがい】

言語音が明確あるいは明瞭に発声できない障害。機能的障害と器質的障害に大別される。機能的障害は,サ行やタ行,カ行,ラ行など子音の発声を誤るものと,難聴によるものがある。
→関連項目言語療法

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家庭医学館の解説

こうおんしょうがい【構音障害 Articulation Disorders】

[どんな病気か]
 たとえば、「ガッコウ」や「ラッパ」を「ダットウ」とか「ダッパ」と誤るように、言語音を正しく言えないか、ほかの語音に置き替わる状態が構音障害です。
 日本語では五十音の行(子音)または列(母音)の障害として現われることが多く、たとえばカ行音やイ列音を誤る場合は、カ行構音障害とか、イ列構音障害として区別しています。
[原因]
 つぎのような、さまざまな原因でおこります。
 難聴(なんちょう)
 比較的軽い難聴の場合、ことばはある程度発達してきますが、言語音が正しく聞き取れないために、それが発音に反映します。
 機能性構音障害(きのうせいこうおんしょうがい)
 ことばの発達過程で必ず現われる構音障害が、自己修正できずに構音が誤ったまま習慣化したものをいいます。
 舌・くちびるの精細運動発達の遅れ
 舌やくちびるの運動が不器用だと構音がうまくできません。多くは運動性発語発達遅滞の改善過程に現われます。
 口蓋裂(こうがいれつ)、粘膜下口蓋裂(ねんまくかこうがいれつ)、口蓋短縮症(こうがいたんしゅくしょう)
 共鳴障害の開鼻声(かいびせい)(鼻にかかった声)をともなう構音障害となります。
 極端な舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)
 舌先の運動が困難なほど舌先の裏側が固着している場合は、構音が障害されます。
[検査と診断]
 まず聴力検査で聴力に問題がないかを調べます。
 難聴がなければ口腔(こうくう)・咽頭(いんとう)(のど)を調べ、構音障害の原因になる問題がないかを確かめます。
 これらのほかに神経学的検査で舌とくちびるの精細運動を調べます。まず舌を前方に出し、ついで左右の口角(こうかく)(口の端)へ舌先を向けさせます。これができたならば、舌先を左右交互に連続して動かせるかどうかを調べます。構音障害の子どもには、これらの運動が下手で、できない子も少なくありません。このような子は、一般に指使いも下手な傾向があります。
[治療]
 原因に対する対策を講じます。難聴があれば補聴器を活用させ、口蓋裂や粘膜下口蓋裂があれば手術をして、息の鼻もれを治します。
 そのうえで正しい構音のしかたを指導します。構音は技術で、これを習得するには知的発達や運動機能がそれを可能にする水準にまで発達する必要があります。訓練にはコツがあり、言語聴覚士(コラム「言語聴覚士(ST)とその役割」)の助力が必要です。

こうおんしょうがい【構音障害】

 構音障害は、構語筋(舌、くちびる、咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう))の運動障害によって、話しことばが損なわれ、発話が不明瞭(ふめいりょう)となり聞き取りにくくなった状態をいいます。咽頭筋のまひでは音声が鼻のほうにぬけるため、過鼻声音(かびせいおん)となります。このような患者さんでは通常、嚥下障害(えんげしょうがい)(むせる)が同時にみられます。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうおんしょうがい【構音障害 articulation disorders】

口から言葉を出すときにその要素である音を発することを構音というが,この構音の異常をいう。しかし,同じ話し言葉の障害でも,失語症による障害は構音障害から除くのが慣例となっている。構音障害は機能的構音障害と器質的構音障害に大別される。機能的構音障害は,現在までのところ,原因となる器質的な異常がみられないもので,構音の技術が未発達であったり,拙劣で,いくつかの音の誤りが固定化した状態をいう。たとえば,サ行をタ行に置き換えて発音する子どもなどはこれに属する。

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大辞林 第三版の解説

こうおんしょうがい【構音障害】

口唇・舌・口蓋や脳機能などの障害により、話しことばを正確・明瞭に発音できない状態。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

構音障害
こうおんしょうがい

話しことばの特定の語音をうまく発音できない障害。言語を理解することや言語を構成して伝えることはできるが、発語器官や機能に障害を伴うため語音をうまく調節してつくりだすことができない状態をさす。構音器官そのものの異常による器質性構音障害、麻痺(まひ)性(運動失調性、運動障害性)構音障害、聴覚障害性構音障害、医学的原因によらない機能性構音障害に分類される。
 器質性構音障害は、音声(構音)器官における形態的な異常により引き起こされるものである。おもなものとして、先天的な口蓋裂(こうがいれつ)、口蓋垂の形態異常である粘膜下口蓋裂、口唇裂などの形態異常、舌の欠損もしくは形態異常、歯牙(しが)の欠損や異常、ことばが鼻に抜ける鼻咽腔(いんくう)閉鎖不全などのほか、舌癌(がん)などによる舌摘除や上顎(じょうがく)癌の上顎部分摘除などがあげられる。
 麻痺性構音障害はディサースリアdysarthriaともよばれ、発声発語器官の運動機能が障害され、運動麻痺や不随意運動、協調運動障害などを伴って、舌や口などを自由に動かせなくなるために起こる。
 聴覚障害性構音障害は、聴覚の障害が原因で二次的に構音に障害を伴う。
 機能性構音障害は、構音器官の形態的異常も、神経系の障害をもたらす原因も認められない構音障害である。これには、成長しても赤ちゃんことばのままであったり、サ行音・カ行音・ラ行音がタ行音に置き換わったりするといった言語発達の遅れや、周囲の誤った構音習慣を学習することで生ずる障害も含まれる。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の構音障害の言及

【言語障害】より

…話すことの障害は大きく二つに分けることができる。一つは構音障害であり,発音の障害のことで構音器官の障害を原因として起こる。失語症で起こる話しことばの障害はふつうは除くが,近年は構音障害として扱うことがある。…

【口蓋裂】より

…さらに,発声時に呼気の漏洩のために発音障害が起こる。すなわち,母音の鼻音化や子音気流の鼻腔漏出を示す開放性鼻声や声門破裂音や咽頭摩擦音による子音(k,t,d,g)の置換,ひずみ,省略などの構音障害を伴い,とくに著しいものではカ行がア行になる。合併症として,側切歯の数,位置および萌出異常による歯列不正や,上気道感染を起こしやすく,扁桃炎や風邪に罹患しやすい。…

※「構音障害」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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