檜木内山(読み)ひのきないやま

日本歴史地名大系 「檜木内山」の解説

檜木内山
ひのきないやま

檜木内川水系に属する山の総称久保田くぼた(現秋田市)近辺の薪炭林が不足となった正徳五年(一七一五)頃には久保田への重要な薪の供給地で、「去午の暮又候二千棚之内三百棚ハ田沢山、七百棚ハ檜木内山へ御入付被仰付候、檜木内山七百棚ハ当夏中之内ニ久保田川口御嶋江上納可仕候事」とある(日本林制史調査資料)。明和七年(一七七〇)雄物川を川下げされた上檜木内かみひのきない村・下檜木内しもひのきない村の薪はそれぞれ六八〇棚であった(「大正寺川下一件留書」県立秋田図書館蔵)

藩財政にとって貴重な杉・檜などの青木の山林は多くは藩の直山に設定された。「仙北郡田沢村、下檜木内村抔ハ公山之青木渡世山と心得違ヘ、伐取売買仕候」(日本林制史調査資料)ともあり、村人たちが直山から徒伐(盗伐)を行っていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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