出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
秋田県北部,米代川の支流大阿仁川,小阿仁川の流域を指す地名。現在の北秋田市の旧森吉町,旧合川町,旧阿仁町と上小阿仁村にまたがる。ことに旧阿仁町の阿仁合より上流の荒瀬,根子,打当,比立内などの集落には通称阿仁マタギと呼ばれる特有の狩猟習俗を保持する人々が居住し,冬季の狩猟期間には,以前はカモシカ,現在はツキノワグマを主とした狩猟に従事し,夏にはそれから得た民間薬の行商を行うことで知られる。その行動範囲は秋田県内から新潟県,長野県などに及び,明治時代には岐阜県,奈良県にも行ったことがある。阿仁マタギは奥羽山地のまたぎの一派で,いわゆる〈狩の巻物〉および特有の狩猟に関する儀礼・信仰・服装および言語(山言葉という。忌言葉の一種)を伝承し,また組織的狩猟法をもつ。江戸時代には藩の保護を受け,米穀を与えられる代りに毛皮や熊胆(くまのい)を上納し,幕末の戦乱に徴用されたこともあった。阿仁マタギが保持する狩猟習俗は日本の狩猟者の習俗の典型として,各地山村の狩猟習俗を対比考察する上で重要な資料である。その価値は昭和初期から武藤鉄城,高橋文太郎,早川孝太郎らに注目され,多くの民俗研究者が阿仁を訪れた。《秋田マタギ聞書》(武藤鉄城),《民俗資料選集狩猟習俗Ⅰ》(文化庁編)にその大要が集録されている。
執筆者:千葉 徳爾
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秋田県北部、北秋田郡にあった旧町名(阿仁町(まち))。現在は北秋田市の南部を占める地域。森吉(もりよし)山の西麓(せいろく)に位置し、米代(よねしろ)川の支流阿仁川流域を占める。旧阿仁町は、1955年(昭和30)阿仁合町と大阿仁村が合併して成立。2005年(平成17)鷹巣(たかのす)、合川(あいかわ)、森吉の3町と合併して市制施行、北秋田市となった。秋田内陸縦貫鉄道、国道105号が通じる。かつて阿仁銅山村と称し、古来日本有数の鉱山町として発展した。明治以降は古河鉱業(現、古河機械金属)の経営下にあったが、1970年同社の手を離れ、阿仁鉱山により銅採掘が続けられたが、1978年完全にストップした。人口も1960年には1万1339人を数えたが、2000年(平成12)には4443人に減少した。根子(ねっこ)地区は、またぎ集落で、獅子神楽(ししかぐら)の一種「根子番楽(ばんがく)」は国の重要無形民俗文化財。また鉱山町に残る旧阿仁鉱山外国人官舎は明治初期の建築で、国の重要文化財に指定されている。
[宮崎禮次郎]
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