欠餠(読み)かきもち

精選版 日本国語大辞典 「欠餠」の意味・読み・例文・類語

かき‐もち【欠餠】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 正月の鏡開きの餠を手や槌(つち)で欠き割ったもの。縁起のよい鏡餠を刃物で切るのを忌み、手で欠き割ったところからいう。
    1. [初出の実例]「あたたけとて舁餠は、古端がふぐりのまね也」(出典:御伽草子・祇園の御本地(室町時代物語集所収)(室町中))
  3. のし餠やなまこ形の餠を薄く切って乾燥したもの。焼いたり揚げたりして食べる。けずりもち。おかき。
    1. [初出の実例]「鏡、はなびら、煎餠、あられ、かきもち、をこし米など」(出典:御伽草子・猫の草紙(江戸初))
  4. 寒中、餠を薄く切って、凍らせたもの。湯に浸して食べる。凍餠(しみもち)。こおりもち。
    1. [初出の実例]「そのかきもちの氷より、涙の氷解けやらぬうき身の上こそ無慚なれ」(出典:浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)中)

かき‐かちん【欠餠】

  1. 〘 名詞 〙 「かきもち(欠餠)」をいう女房詞。おかき。
    1. [初出の実例]「東のとう院殿よりかきかちん一ふたまいる」(出典:御湯殿上日記‐享祿元年(1528)閏九月二〇日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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