日本大百科全書(ニッポニカ) 「欧友会」の意味・わかりやすい解説
欧友会
おうゆうかい
明治から大正にかけての活版欧文植字工の職能別労働組合。1907年(明治40)春ごろから峰岸正太郎、古川常次郎らによって組織化が進められ、11月3日に創立大会を開いた。欧友会は当時としては知的水準の高い熟練職工が主で、組合員の共済、福利の増進を推進すると同時に、労資対等の立場から労資協調を掲げて、団体協約の締結を進め、賃金の増額、身分保証を図るなどの活動を行った。機関誌『欧友』(のち『欧工の友』と改題)を発行。11年の東京・築地(つきじ)活版所のストライキを指導したが敗北に終わった。大逆(たいぎゃく)事件の影響もあり、このころより組織が弱体化し、16年(大正5)10月31日の大会で解散を決定し、新たに信友会準備会を組織した。
[渡辺悦次]
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