欲求性向(読み)よっきゅうせいこう(その他表記)need-disposition

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「欲求性向」の意味・わかりやすい解説

欲求性向
よっきゅうせいこう
need-disposition

T.パーソンズの行為理論の概念の一つ。彼は,身体的,生理的欲求を示す概念 needと対象へ向う指向性を示す概念 dispositionとを結びつけ,人間の行為が究極的には生物的,生理的エネルギーに根ざしながら,遺伝情報ではなく社会的,文化的情報によって制御されることを説いた。すなわち,社会的,文化的に学習した期待に導かれてさまざまな対象や状態を目指して持続する行動エネルギーが欲求性向である。欲求性向には,行動主体が自己の欲求充足の最適化をはかることにかかわる側面と,規範的基準を満たすことにかかわる側面がある。前者を動機指向,後者を価値指向という。また,さまざまな欲求性向が組織化されたものをパーソナリティ体系という。

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