欲求段階説(読み)よっきゅうだんかいせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「欲求段階説」の意味・わかりやすい解説

欲求段階説
よっきゅうだんかいせつ

人間の発達と可能性の探究目標として A.H.マズローが提唱した欲求動機づけ理論。彼は人間の欲求構造を基礎的段階から順に次の5段階をなすと説明した。 (1) 生活維持の欲求 (生理的欲求) ,(2) 安定と安全の欲求,(3) 社会的欲求 (集団的欲求,所属欲求,親和欲求) ,(4) 自我の欲求 (人格的欲求,自主性の欲求,尊敬の欲求) ,(5) 自己実現の欲求。 (1) ~ (4) の欲求については,下位の欲求が充足されると次の欲求が高まるが,最高位の (5) の自己実現の欲求は完全に充足されることがなく,引続いて欲求が喚起され,行動動機づけとなり,高い勤労意欲が誘発されるとする。

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