家庭医学館 「止血機能のしくみ」の解説
しけつきのうのしくみ【止血機能のしくみ】
血液凝固因子は、これまでに12種類の物質の存在が確認されていて、Ⅰ~(Ⅵは欠番)までのローマ数字がつけられています。血液凝固因子が欠乏すると、血液の凝固がおこりにくくなり、いったん出血すると止まりにくくなるのです。
一方、破れた血管部分での血液凝固がどんどん進んでしまうと、血管が完全に閉ざされてしまい、その先に血液が流れなくなります。このような過剰な凝固を抑制する機構もあります。血漿中には血液を固まりにくくし、流動性を保つ凝固阻止因子(そしいんし)と呼ばれる物質と、フィブリン網を溶かす(線維素溶解(せんいそようかい)=線溶(せんよう))プラスミン系が存在し、過剰な血液凝固を抑制するはたらきをしています。
またこの線溶が亢進(こうしん)してくると、血液凝固を抑制しすぎることになり、いったん出血すると止まりにくくなります。