日本歴史地名大系 「武蔵名勝図会」の解説
武蔵名勝図会
むさしめいしようずえ
一二巻一二冊
別称 武蔵国名勝図会 植田孟縉著・画
成立 文政三年
写本 国立国会図書館・国立公文書館内閣文庫・青梅市郷土資料室・都立中央図書館加賀文庫ほか
解説 宝暦七年に伊予吉田藩の江戸藩邸で藩医の子として生れ、安永四年一九歳で八王子市千人同心組頭の植田家の養子となった植田孟縉が著した地誌。内容は武蔵といっても多摩郡に限られている。植田孟縉は「新編武蔵風土記稿」の編纂にも携わり、多摩・高麗・秩父三郡の廻村調査を行っていたこともあるため、本書もこの時の調査を参考にしてまとめられたものといえる。本書は刊行はされなかったが、写本が当時八王子近辺で相当流布していたようで、文政六年には稿本を浄書して昌平黌に納められている。なお、孟縉は画を渡辺崋山に師事している。
活字本 昭和四二年
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報