歯科治療恐怖症

六訂版 家庭医学大全科 「歯科治療恐怖症」の解説

歯科治療恐怖症
(歯と歯肉の病気)

 過去に受けた歯科治療が原因で、歯科治療を受けるのが怖くなってしまったという人は、年齢に関係なく多数います。その程度はさまざまですが、怖さのあまり歯科治療を受けることがどうしてもできない時には、歯科治療恐怖症に対応した特別なやり方で治療を受ける場合があります。

 薬で恐怖心を和らげるやり方には、笑気(しょうき)吸入鎮静法と静脈内鎮静法があります。笑気吸入鎮静法では、治療中に笑気というガスを吸うことにより気持ちが楽になり、歯科治療に対する不安感、恐怖心を解消し、痛みも感じにくくなります。静脈内鎮静法は文字どおり静脈内に鎮静薬を投与する方法ですが、笑気吸入鎮静法よりもさらに確実な効果が得られます。心理的アプローチで歯科治療恐怖症を克服する方法としては、系統的脱感作(けいとうてきだっかんさ)療法があります。

 歯科治療を受けたいけれども、怖いためにいつも先延ばしにしてしまうという人は、一度こうした方法について歯科医師と相談されてはいかがでしょうか。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報