脱感作(読み)ダツカンサ(その他表記)desensitization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「脱感作」の意味・わかりやすい解説

脱感作
だつかんさ
desensitization

除感作ともいう。ヒト動物に異種蛋白 (抗原) を投与し,一定期間後に再び同じ抗原を投与すると,激しい反応 (アナフィラキシー) を起す。これは,第1回目の抗原の投与によって,生体がそれに対して過敏性となるためで,この第1回目の抗原投与 (前処置) を感作という。2回目の投与量が多いと,反応が強くてショック死することもあるが,それほど大量でなければ,数日後に再び投与しても,ショックを起さない。このように,抗原の量をごく少量から始めて,次第に増加して過敏性を減弱させることを脱感作という。脱感作はアレルギー性疾患の治療に用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の脱感作の言及

【減感作療法】より

…回避できないアレルゲンによってひき起こされるアレルギー性疾患に対する特殊な治療法。抗原物質に対して過敏な状態にすることを〈感作sensitization〉といい,その過敏性を除去する処置を〈減感作〉(かつては除感作,脱感作といった)という。減感作療法はこの方法を用いたものである。…

※「脱感作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む