( 1 )「十王経」に「閻魔王国境死天山南門、亡人重過、両基根逼、破レ膝割レ膚、折レ骨漏レ髄死而重死、故曰二死天一、従レ此亡人向二入死山一」とあり、「死天山」から出た語といわれる。これによれば、閻魔王国との境に死天山の南門があり、死者はこの山に行きかかり、さらに死を重ねるほどの苦しみにあうという。ちなみに、この「十王経」は偽経であり、日本で作られたものと考えられている。
( 2 )「古今和歌集」以来、「しでの山」は、「あの世」と「この世」とを隔てる山として理解されており、やはり両者を隔てる川「みつせ川(三途川)」とともに、しばしば「又かへりこぬ四手(シデ)の山(ヤマ)、みつ瀬川」〔平家‐六〕のように並べて用いられる。
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