段物集(読み)だんものしゅう

精選版 日本国語大辞典 「段物集」の意味・読み・例文・類語

だんもの‐しゅう‥シフ【段物集】

  1. 〘 名詞 〙 浄瑠璃道行(みちゆき)景事(けいごと)など特殊な段だけを多くの浄瑠璃から抜き出して集めた書。全段を完備した正本あるいは丸本に対する語。宇治加賀掾の「竹子集(たけのこしゅう)」や竹本筑後掾の「鸚鵡が杣(そま)」など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の段物集の言及

【義太夫節】より

…これを稽古本とか,多く五行に書いているので五行本とかいう。やはり需要が多かった道行,景事を何曲か収載した段物集と称する板本も刊行された。これら用途別に作成された各種浄瑠璃本には,本文の詞章のほかに,太夫の演奏に関する指示が記譜してある。…

【段物】より

…(2)浄瑠璃では,独立して上演されることが多い特定の段の総称としても用いる。また,井上播磨掾以来,聴かせどころだけを抜き出した正本を,とくに〈段物集〉といい,その序跋が,一種の芸術論をなすことが多い。(3)豊後系浄瑠璃で,義太夫節の一部を借用したものや劇的内容をもつ曲を,〈端物(はもの)〉に対して〈段物〉ということがある。…

※「段物集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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