民族史学(読み)みんぞくしがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「民族史学」の意味・わかりやすい解説

民族史学
みんぞくしがく

朝鮮近代歴史学初期の思潮。 20世紀初頭の民族的危機のもとで,民族の独立精神を鼓舞する立場で研究が発表された。この思潮の契機としては日韓併合 (1910) が,また背景に三・一運動 (19) の影響が考えられる。組織的な活動としては崔南善を中心とする朝鮮光文会 (10結成) による古典収集刊行などがある。個人的な研究としては,朴殷植の『韓国痛史』 (15) ,『韓国独立運動之血史』 (20) ,申釆浩の『朝鮮史研究草』 (29) ,崔南善の『朝鮮史』 (31) などをあげることができる。これらを基礎に,震檀学会 (34結成) を中心とする実証主義史学が発展した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android