普及版 字通 「氓」の読み・字形・画数・意味
氓
8画
(異体字)
8画
[字訓] たみ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(亡)(ぼう)。に逃亡の意がある。〔説文〕十二下に「民なり」と訓する。〔孟子、公孫丑上〕に「則ち天下の民、皆んで、之れが氓と爲ることを願はん」とあって、民と氓とを区別して用いる。氓は他の地より赴くもので、もと亡命者・農奴的な身分のものであろう。氓黎・氓隷のようにいう。〔詩、衛風、氓〕「民の蚩蚩(しし)たる 布をきて絲を貿(か)ふ」という氓は、浮浪に近い行商人である。字はまたに作り、田民をいう。唐の太宗の名、世民の民を避けて、氓をとしるした。
[訓義]
1. たみ、外来の民、野人。
2. 字はまたに作る。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕氓 タミ 〔立〕氓 タミ・ウチ
[語系]
氓・meangは同声。民mienから分化した語であろう。民は目睛を刃器で突いて視力を破る形で、虜囚などを神に献じ、その徒隷とする方法であった。逃亡者もそのような取り扱いを受けたのであろう。
[熟語]
氓家▶・氓蚩▶・氓庶▶・氓俗▶・氓廛▶・氓萌▶・氓隷▶・氓黎▶
[下接語]
遺氓・遠氓・遐氓・教氓・耕氓・残氓・庶氓・新氓・人氓・蒼氓・氓・疲氓・貧氓・民氓・野氓・利氓・流氓・良氓・黎氓
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報