水気耕栽培(読み)すいきこうさいばい(その他表記)hyponica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水気耕栽培」の意味・わかりやすい解説

水気耕栽培
すいきこうさいばい
hyponica

ハイポニカ農法ともいう。野澤重雄 (および協和株式会社) によって考え出された栽培法で,水と空気と肥料だけで,植物の生理機能を活性化させるようにしたもの。土はもとよりその他生命活動の阻害要因のすべてを排除して,植物を自由に生育させるものである。このためのプラント装置は栽培槽,液肥槽,給液ポンプなどから構成されている。栽培槽の中の養液は槽内を一定の速さで流れ,液肥槽へ流れ込み,液肥を受け給液ポンプで栽培槽へ再び供給される。従来水耕法と著しく違う点は養液の管理と制御にあるといえる。この栽培法で作物をつくると,たとえば1株のキュウリから 3000本以上実がなる (普通は 50~60本) など収穫量が驚異的にふえるという。 1985年の科学万博に展示された1本のトマトが1万 3000個以上の実をつけたことはよく知られている。なお,近年さらに人工照明,調整空気などを併用した,植物の育成環境の完全管理による植物工場も完成している。

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