水耕法(読み)スイコウホウ

デジタル大辞泉 「水耕法」の意味・読み・例文・類語

すいこう‐ほう〔スイカウハフ〕【水耕法】

水耕による栽培法。

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精選版 日本国語大辞典 「水耕法」の意味・読み・例文・類語

すいこう‐ほうスイカウハフ【水耕法】

  1. 〘 名詞 〙すいこう(水耕)〔現代科学物語(1949)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水耕法」の意味・わかりやすい解説

水耕法
すいこうほう

植物土壌に植えるのではなく、栄養分を溶かした溶液に根を浸(つ)けて育てること。根を浸(ひた)す培養液組成を自由に変えられるので、特定の要素を欠乏させたり過剰に加えたりして、植物生理学や農学の研究に利用される。根が水に浸(つ)かるので、普通の作物では根が酸素不足に陥るため、ポンプで空気を送って絶えず培養液に通気する必要がある。実際栽培への応用では、培養液を循環させ空気にさらして酸素を溶け込ませる方法が行われる。これを水耕栽培とよぶ。水耕法では、植物体を支えるために、ざるの中に小石を入れ、ざるの目を通して培養液中に根を伸ばす方法のほか、砂や礫(れき)の培地に植物を植え、これに培養液を注ぐ方法もあり、それらは砂耕礫耕とよばれる。最近はガラスや合成樹脂製の小玉に植える方法が観葉植物の鉢などに流行している。また合成樹脂製やガラスウール製の綿状マットに栄養液をしみ込ませてこれに根を絡ませる方法の養液栽培も野菜で実用化されている。そのほか、特殊な形のガラス容器に球根を沈まないように支える水鉢栽培や、水に浮かした容器に播種(はしゅ)してカイワレナなどを生産するのも水耕法の一種である。

[星川清親]

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百科事典マイペディア 「水耕法」の意味・わかりやすい解説

水耕法【すいこうほう】

土壌を用いず,栄養分を溶かした溶液で植物を栽培する方法。水耕栽培ともいう。従来は植物の無機養分の吸収状態を調べるためによく行われていたが,現在では実用的にも応用されている。根を直接水溶液中につけるが,砂や礫(れき)などに根をはらせる砂耕法礫耕法もある。球根自体に栄養分がある水栽培とは異なる。→養液栽培

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水耕法」の意味・わかりやすい解説

水耕法
すいこうほう
water culture; hydroponics

水栽培ともいう。植物の生育に必要な栄養物質を,根が吸収できるような形で水に溶かし,その溶液 (たとえばクノップ液) のなかで植物を栽培する方法。実験室内で瓶中栽培の水耕法を行う際は,水中単細胞緑藻などが繁茂するのを防ぐため,黒紙でおおっておく必要がある。さらに大仕掛けに野菜などを栽培する場合は,グリーンハウスの床に砂や小石を敷き,根を固着させながら,きわめて薄い培養液を徐々に流すような方法をとる。近時このような方法によってつくられた野菜は,清浄野菜と称して市販されている。

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世界大百科事典(旧版)内の水耕法の言及

【栄養素】より

…このような溶液に植物の根を漬けて,まったく土なしで植物を育てることができる。これは水耕法と呼ばれ,実験に用いられるばかりでなく,実用化も行われている。これについて詳しくは〈水耕〉の項目を参照。…

※「水耕法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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