植物を土壌に植えるのではなく、栄養分を溶かした溶液に根を浸(つ)けて育てること。根を浸(ひた)す培養液の組成を自由に変えられるので、特定の要素を欠乏させたり過剰に加えたりして、植物生理学や農学の研究に利用される。根が水に浸(つ)かるので、普通の作物では根が酸素不足に陥るため、ポンプで空気を送って絶えず培養液に通気する必要がある。実際栽培への応用では、培養液を循環させ空気にさらして酸素を溶け込ませる方法が行われる。これを水耕栽培とよぶ。水耕法では、植物体を支えるために、ざるの中に小石を入れ、ざるの目を通して培養液中に根を伸ばす方法のほか、砂や礫(れき)の培地に植物を植え、これに培養液を注ぐ方法もあり、それらは砂耕、礫耕とよばれる。最近はガラスや合成樹脂製の小玉に植える方法が観葉植物の鉢などに流行している。また合成樹脂製やガラスウール製の綿状マットに栄養液をしみ込ませてこれに根を絡ませる方法の養液栽培も野菜で実用化されている。そのほか、特殊な形のガラス容器に球根を沈まないように支える水鉢栽培や、水に浮かした容器に播種(はしゅ)してカイワレナなどを生産するのも水耕法の一種である。
[星川清親]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…このような溶液に植物の根を漬けて,まったく土なしで植物を育てることができる。これは水耕法と呼ばれ,実験に用いられるばかりでなく,実用化も行われている。これについて詳しくは〈水耕〉の項目を参照。…
※「水耕法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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