コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

液肥 えきひliquid fertilizer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

液肥
えきひ
liquid fertilizer

液体の肥料のこと。原形が粉末や粒状などの固体でも,施与するときに溶かして液体にしたものも含める。水肥 (みずごえ,みずひ) ともいう。市販されている液肥は,肥料取締法に基づいて液状複合肥料,液状窒素肥料,液体リン酸肥料,液体ケイ酸カリ肥料などに分類され,生産業者保証票の肥料の種類欄に記載されている。このなかで登録数,生産量が最も多いのが液状複合肥料で,保証成分は3要素 (窒素,リン,カリウム) のうちの2要素以上,合計最小量8%以上と規定されている。物体散布や土壌灌注をはじめ,施設園芸の灌水,水田流し込みなどの多くの栽培法に用いられる。吸収性がよく,適時に適量だけ施すことができるために過剰施肥による河川や地下水の水質汚染を防ぐ効果がある。また,速効性があり,追肥として使われるが,効果のある期間は 10~14日と短いために肥料切れを起こしやすい。一方,培養液は,植物の生育に不可欠な無機元素を配合して溶かした水溶液のこと。土の代わりに固形の培地や水中に根を張らせて栽培する養液栽培に用いるもので,肥料を水で薄めてつくる方法もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

大辞林 第三版の解説

えきひ【液肥】

液状の肥料。下肥しもごえや、化学肥料を水に溶かしたもの。液体肥料。水肥。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

液肥
えきひ

液体状肥料のこと。施すと肥料効果がすぐに現れることが特徴で、追肥に適している。使用の歴史は古く、たとえば人糞尿(じんぷんにょう)の使用は江戸時代以前にさかのぼる。しかし、液体アンモニア、アンモニア水(安水)、液体複合肥料など近代的な液肥の製造と使用は比較的最近のことである。液肥を土壌に施用した場合の肥効は固体のものと本質的に変わりはないが、葉面散布では明らかに効果的である。液肥は、バルブの開閉とポンプで肥料が簡単に動くことから、大規模な省力作業に適していて、アメリカでは1960年代から著しく普及した。日本では葉面散布用、あるいは施設栽培などで、水で希釈して用いる液肥として使われ、大部分が容器に入れられて流通している。[小山雄生]
『伊達昇・塩崎尚郎編著『肥料便覧』第5版(1997・農山漁村文化協会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ユニコーン企業

企業としての評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、非上場のベンチャー企業を指す。ベンチャー企業への投資を専門的に行う投資会社を「ベンチャーキャピタル(venture capital)」と呼ぶが、...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

液肥の関連情報