液体状肥料のこと。施すと肥料効果がすぐに現れることが特徴で、追肥に適している。使用の歴史は古く、たとえば人糞尿(じんぷんにょう)の使用は江戸時代以前にさかのぼる。しかし、液体アンモニア、アンモニア水(安水)、液体複合肥料など近代的な液肥の製造と使用は比較的最近のことである。液肥を土壌に施用した場合の肥効は固体のものと本質的に変わりはないが、葉面散布では明らかに効果的である。液肥は、バルブの開閉とポンプで肥料が簡単に動くことから、大規模な省力作業に適していて、アメリカでは1960年代から著しく普及した。日本では葉面散布用、あるいは施設栽培などで、水で希釈して用いる液肥として使われ、大部分が容器に入れられて流通している。
[小山雄生]
『伊達昇・塩崎尚郎編著『肥料便覧』第5版(1997・農山漁村文化協会)』
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