氷目矢(読み)ひめや

精選版 日本国語大辞典 「氷目矢」の意味・読み・例文・類語

ひめ‐や【氷目矢】

  1. 〘 名詞 〙 木を割るとき、その割れ目にはさむ楔(くさび)として用いた補助用具か。
    1. [初出の実例]「大樹を切り伏せ、茹矢(ひめや)を其の木に打ち立て、其の中に入ら令めて即ち、其の氷目矢(ヒメや)を打ち離ちて、拷(う)ち殺しき」(出典古事記(712)上)

氷目矢の補助注記

( 1 )ひめ」を「樋目(ひめ)」(木の割れ目の意)とする説は、「樋」の「ひ」が乙類音であるのに対し、「ひめや」の「ひ」が甲類音であるところから誤り。
( 2 )「ひ」にかかる枕詞「まきさく(真木裂)」などから、「ひ」を割れ目と解する説がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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