汎スカンジナビア主義(読み)はんスカンジナビアしゅぎ(その他表記)Pan-Scandinavianism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「汎スカンジナビア主義」の意味・わかりやすい解説

汎スカンジナビア主義
はんスカンジナビアしゅぎ
Pan-Scandinavianism

19世紀中頃からスウェーデン王室を中心に北ヨーロッパ 3国(スカンジナビア三国)に起こった「三国統合」を主張する運動。汎ゲルマン主義とロシアの拡大,北ヨーロッパ古代文化に関する考古学の発達,シュレースウィヒ=ホルシュタイン(→シュレースウィヒホルシュタイン州)をめぐる 1845~64年のドイツ=デンマーク戦争がこの運動を促した。一方では国民主義を基礎に文化的親近性を強調するものであったが,現実にノルウェーがスウェーデンの属領となっているとき独立運動を抑えるものであり,ドイツ=デンマーク戦争に際してはスウェーデンがデンマークを積極的に援助せず,運動は急速に衰退した。しかし第1次世界大戦の危機を前に小国中立と平和を守る運動の精神的基礎となり,スカンジナビア協議会(1914スウェーデンのマルメーで第1回開催)の形成など,中立政策維持に一定の役割を果たした。(→スカンジナビア主義

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