化学辞典 第2版 「沈降速度法」の解説
沈降速度法
チンコウソクドホウ
sedimentation velocity method
超遠心機によるタンパク質など高分子物質の分子量測定法の一つ.高分子溶液を十分強い遠心力場に置くと,溶質は遠心力場の方向に沈降し,回転中心に近い部分に溶媒のみの相ができ,界面が形成される.この界面の移動速度から溶質の沈降速度を求め,単位遠心力場における沈降速度である沈降定数Sを算出し,20 ℃ 水中の値 S20w に換算する.S20w は濃度依存性を有するものが多いので,濃度0への外挿値を求める.一方,その高分子の部分比体積V,20 ℃ 水中の拡散係数Dが求まると,分子量Mはスベドベリの式(沈降速度)を用いて算出される.タンパク質などの高分子の分子量測定の目的には,超遠心機の回転数は毎分約6万回,遠心力の加速度はgの数十万倍で行われている.[別用語参照]沈降平衡法
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報