沖縄高等弁務官(読み)おきなわこうとうべんむかん(英語表記)High Commissioner of Ryukyu Islands

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沖縄高等弁務官」の意味・わかりやすい解説

沖縄高等弁務官
おきなわこうとうべんむかん
High Commissioner of Ryukyu Islands

正式には琉球列島高等弁務官という。第2次世界大戦後,沖縄を統治したアメリカ民政府の長官。 1950年アメリカ軍政府から統治を引継いだアメリカ民政府は,はじめ極東軍総司令官を長官 (在東京) ,琉球軍司令官を副長官としていたが,極東軍の再編成に伴って廃止された。そこで両者の機能を併せもつ機関として 57年6月アメリカ大統領の行政命令により国防長官が現役軍人から選任する高等弁務官を設置することになり,同年7月1日付で,琉球アメリカ軍司令官 J. E.ムーア中将が初代の沖縄高等弁務官に任命され,その後6代続いた。その権限は行政主席および琉球上訴裁判所裁判官の任命権,裁判の移送権,法令の停止・拒否権,公務員の罷免権など広範囲にわたった。しかし 72年5月,沖縄の施政権が日本に返還されるに伴って沖縄高等弁務官は廃止された。

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