法令(読み)ほうれい

精選版 日本国語大辞典 「法令」の意味・読み・例文・類語

ほう‐れい ハフ‥【法令】

〘名〙
① おきて。のり。きまり。定め。法度
※続日本紀‐和銅二年(709)一〇月丙申「非独百姓違慢法令
太平記(14C後)二「再犯赦さざるは法令の定る所なれば」 〔戦国策‐秦策・一〕
② 特に、公家の法。朝廷の法。武家の法である式目、置目、条々などに対する語。
※中右記‐承徳元年(1097)正月二七日「兼倭漢之学、〈略〉法令之事、能極源底、誠是朝家之重臣也」
法律命令。このほか条例規則その他各種の法形式を含めていう場合もある。
民法(明治二九年)(1896)二条「外国人は法令又は条約に禁止ある場合を除く外私権を享有す」
成文法のこと。不文法などに対する語。
※三代格‐一・弘仁格式序(820)「古者世質時素、法令未彰、無為而治」
刑法(明治四〇年)(1907)八条「本法の総則は他の法令に於て刑を定めたるものに」
⑤ 相術家の用語で、小鼻の両脇から下の方に向かって出る筋をいう。
五重塔(1891‐92)〈幸田露伴〉六「せ皺びたる顔に深く長く痕いたる法令(ハフレイ)の皺溝を」 〔神相全篇‐巻一・流年運気部位歌〕

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デジタル大辞泉 「法令」の意味・読み・例文・類語

ほう‐れい〔ハフ‐〕【法令】

法律命令。また、条例規則などを含めることもある。
おきて。きまり。定め。
[類語]法規法制法例法律ロー国法公法法典法度はっと典範条令条規禁令法網ほうもうのり

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「法令」の意味・わかりやすい解説

法令
ほうれい

法律(国会決議を経て制定される法規範)と命令(国会の決議を経ないで、行政官庁が制定する法規範)とをあわせてよぶ観念であり、場合によっては、地方公共団体の条例・規則あるいは最高裁判所規則なども含むものと解される。

[竹内俊雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「法令」の意味・わかりやすい解説

法令 (ほうれい)

法律および命令を合わせた用語である。法律は議会の定める法的規律であり,その効力は憲法に次ぐ。命令は,通常,行政機関の定める行政立法をいい,効力は法律に劣る。裁判所規則,地方公共団体の条例・規則を含む法律以外の国法形式をさすこともある。
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普及版 字通 「法令」の読み・字形・画数・意味

【法令】ほう(はふ)れい

法律と命令。〔商君書定分〕法令なるは、民の命なり。治を爲すの本(もと)なり。民を備(まも)る以(ゆゑん)なり。

字通「法」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「法令」の意味・わかりやすい解説

法令【ほうれい】

法律命令を包括した呼称。さらに条例,規則などを含めて法規一般を呼ぶときにも用いる。

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占い用語集 「法令」の解説

法令

鼻の両脇から、口の両側に下がる筋のこと。「法令線」は一般的には職業や、社会的な立場などをあらわす。

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