河名郷(読み)かわなごう

日本歴史地名大系 「河名郷」の解説

河名郷
かわなごう

和名抄」諸本にみえる郷名。高山寺本・東急本に「加波奈」の訓がある。飛鳥京跡出土木簡に「川奈五(十カ)戸煮一籠十八列」とみえる。五十戸は里の前身で、「和名抄」には河名という郷名は駿河国廬原いおはら郡にしかなく、「川奈五十戸」は当郷の前身と考えられる。前掲木簡には品目の記載がないが、「煮一籠十八列」という表記は平城宮跡出土木簡(「平城宮木簡概報」一九―三三頁)に「(表)駿河国廬原郡川名郷□」「(裏)堅魚八斤五両員五烈六(束カ)」とある「員五烈六(束カ)」に類似するので、煮堅魚の可能性が大きい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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