河喜多真彦(読み)かわきた・まひこ

朝日日本歴史人物事典 「河喜多真彦」の解説

河喜多真彦

没年:明治1.1.24(1868.2.17)
生年:文政1(1818)
幕末期の国学者。姓は藤原,通称を真一郎という。櫪園,作楽居,挙樹園と号した。京都の人。国学を六人部是香に学び,また書もよくした。墓碑銘によれば,「正保遺事」や「高山彦九郎伝」などの尊皇史論をものしたらしいが,生前においてはむしろ『古今墨蹟鑒定便覧』(1848)を初めとする実用的な編著が知られ,雑学者の印象が拭いがたい。明治維新に際して官軍に加わり,近江から伊勢へ進んだが,「流心のすさびの余りに軍令を犯し」て,桑名斬殺された。京都霊山正法寺に葬る。<参考文献>寺田貞次編『京都名家墳墓録』上

(ロバート・キャンベル)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「河喜多真彦」の解説

河喜多真彦 かわきた-まひこ

1818-1868 幕末の国学者。
文政元年生まれ。六人部是香(むとべ-よしか)に入門し,国学と史学をまなぶ。「古今墨蹟鑒定(かんてい)便覧」などを編集。明治維新に際し新政府軍先鋒(せんぽう)隊に属したが,軍令違反にとわれ慶応4年1月24日桑名で斬殺(ざんさつ)された。51歳。京都出身。通称は真一郎。号は櫪園,挙樹園。姓は川喜多,川北ともかく。著作に「近世三十六名家集」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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