カンティ

デジタル大辞泉 「カンティ」の意味・読み・例文・類語

カンティ(〈イタリア〉Canti

イタリア詩人レオパルディの全詩集。1831年に初版刊行決定版は著者没後の1845年に刊行された。

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普及版 字通 「カンティ」の読み・字形・画数・意味

底】かんてい

谷底。晋・左思詠史、八首、二〕詩 鬱鬱たる底の 離離たる山上の 彼の徑寸のを以て 此の百尺の條(えだ)を(おほ)ふ 世冑高位を躡(ふ)み 俊は下僚に沈む 地勢之れをして然らしむ 由來一に非ず

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庭】かんてい

監獄

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庭】かんてい

垣庭。

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【刊】かんてい

伐り除く。

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【乾】かんてい

空なき。

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【幹】かんてい

主柱

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改訂新版 世界大百科事典 「カンティ」の意味・わかりやすい解説

カンティ
Canti

近代イタリアの大詩人G.レオパルディの詩集。初版は1831年にフィレンツェで,第2版は35年にナポリで刊行された。しかし,夭折するまでの2年間を,詩人がさらに綿密な修正と改作とに捧げたため,その遺稿をもとにした版が今日では流布している。またさらに,死の2時間前に詩人が書き残した〈月は傾く〉と36年に作成した長詩〈えにしだ〉の2編を加えるのが,一般になっている。身長が伸びずせむしになったり,視力をほとんど失うなど,“気違いじみた”勉学のなかで,古今の詩法に通暁していたにもかかわらず,1編ごとに新たな自由詩型を編みだしたのは,深い思索の果てに感知した無を,悲劇的な韻律のうちに,新たな角度から歌いあげるためであった。イタリアの詩史から見れば,ペトラルカの《カンツォニエーレ》と並んで,抒情詩集の双璧に掲げられる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンティ」の意味・わかりやすい解説

カンティ
かんてぃ
Canti

近代イタリアの大詩人レオパルディの詩集。1818年以降につくられた主要な詩作品のすべてを収める。表題は「詩歌集」の意。初版は1831年にフィレンツェで、第2版は35年にナポリで、また第3版は詩人の没後その意志に従い親友アントーニオ・ラニエーリがフィレンツェで出版した。『イタリアに』『ダンテの碑の上で』『アンジェロ・マーイに』などイタリア国家統一(リソルジメント)を志向する政治的・文化的内容の長詩と、『無窮』『祭りの日の夕べ』『月に寄せて』など叙情的な短詩とからなり、とりわけ後者は個人的な感情を超え、透徹したペシミズム(厭世(えんせい)主義)のうちに存在の無と世界の悲哀とを歌い上げている。

[河島英昭]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンティ」の意味・わかりやすい解説

カンティ
Canti

イタリアの詩人ジャコモ・レオパルディの詩集。 1831年初版,35年第2版。第3版は死後出版。 18~37年の作。邦題名は一般に『詩歌集』。長詩 36編と断片詩5編から成る。 39歳で早世した詩人の鋭い宇宙感覚と古典学者としての該博な知識とが混然一体となって,無を主題とする厭世的な抒情詩の世界が展開されている。

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世界大百科事典(旧版)内のカンティの言及

【イタリア文学】より

…ジャコモ・ダ・レンティーニは十四行詩のなかで〈愛とは喜びのあまり/心からあふれでる願い〉と歌い,これを受けて〈清新体〉派の先駆者グイード・グイニツェリGuido Guinizelli(1230‐76)は〈やさしい心につねに愛は宿る〉と書いた。けれどもダンテは《神曲》煉獄編第11歌において,このグイードから別のグイード(カバルカンティ)が詩の栄光を奪い,さらに両者を蹴落とす者(ダンテ自身)が現れたことを述べている。この自負は,〈愛〉をめぐる詩法の転換に基づいている。…

※「カンティ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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