ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「河川の争奪」の意味・わかりやすい解説
河川の争奪
かせんのそうだつ
river piracy
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…谷頭の上流側への後退が活発に行われると流域が拡大し,分水界が移動する。隣接する流域どうしでどちらか一方の谷頭浸食が急速に進行すると河川の争奪が起こる。ミシシッピ川のような大河が谷頭浸食によって現在の水源にまで延長されたとは考えにくいが,小さな支流の多くは谷頭浸食の結果生じたものであり,多くの小河谷の成長にとっては大きな意味をもつ。…
…もとは〈おかし,むしばむ〉の意で侵と書いた。土地に働きかけて地形を変化させる作用(〈地形形成営力〉または〈地形営力〉という)のうち,内部から働く地殻運動や火山活動を内作用,外部から働く風,雨,河川,波などおもに太陽エネルギーに基づく作用を外作用とするが,浸食作用は後者に属する。外作用による地形営力は浸食,運搬,堆積の3作用から成る。浸食と運搬の過程は連結しており,これにより地表の物質は砕かれ,削り取られ,運び去られ,土地は変形させられる。…
…浸食力の大きい河川が谷頭浸食を続け,それまでの分水界を越えて隣の流域に侵入し,その流路に達した場合,その地点より上流の隣の河流は,侵入してきた河谷へと注ぐことになる。このような現象を河川の争奪piracyと呼ぶ。河川の争奪は急激な分水界の移動をもたらし,争奪された地点より下流側の流路の状況を一変させる。…
※「河川の争奪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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