沼田千町田(読み)ぬたせんちようでん

日本歴史地名大系 「沼田千町田」の解説

沼田千町田
ぬたせんちようでん

沼田川下流域の、主として中世に開発された干拓地で、三原市沼田東ぬたひがし町・沼田西町・小泉こいずみ町、豊田郡本郷ほんごう町に及ぶ。とくに沼田東町一帯は大規模。

かつてこの地域は満潮時には海水が入り、干潮時には干潟を形成する塩入荒野であったが、嘉禎四年(一二三八)一一月一一日付の一条入道太政大臣(藤原公経)家政所下文案写(小早川家文書)によると、沼田庄地頭の沼田小早川茂平が将軍家菩提を弔うと称して建立した不断念仏堂(巨真山寺、現米山寺)の仏餉・灯油・修理料田としてこの塩入荒野の干拓を領家に願出て許可を受けている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の沼田千町田の言及

【荒野】より

…なお,開発の困難な塩入荒野や大河川下流域の荒野の耕地化は,地頭・国人領主層あるいは商人らの手により,中世を通じて続けられた。そして,広島県の豊田郡本郷町から三原市にまたがる〈沼田千町田(ぬたせんちようだ)〉のように,広大な耕地が生まれた。【松井 輝昭】。…

※「沼田千町田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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