法隆寺金堂釈迦三尊像(読み)ほうりゅうじこんどうしゃかさんぞんぞう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「法隆寺金堂釈迦三尊像」の解説

法隆寺 金堂釈迦三尊像
ほうりゅうじこんどうしゃかさんぞんぞう

須弥壇(しゅみだん)中央に安置される金堂本尊。光背裏面には,623年(推古31)に亡き聖徳太子らのために鞍作鳥(くらつくりのとり)に造らせた旨を記す刻銘がある。表現原型は,竜門賓陽中洞本尊像など中国北魏時代の様式に求められるが,各部分のかたち単純化され,全体的により整理された表現である。銅造鍍金。中尊像高86.4cm。国宝

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の法隆寺金堂釈迦三尊像の言及

【飛鳥美術】より

…飛鳥美術の時代区分については学説が分かれているが,その上限は等しく仏教伝来の時点とする。下限は644年(皇極3)または645年(大化1)とする説が大勢を占めていたが,美術史の時代区分は政治的・社会的変革によるのではなく,美術作品の様式的な変化にもとづくべきであるとして,671年(天智10)壬申の乱前年(小林剛),670年法隆寺焼亡(町田甲一),最近では663年白村江の戦(西川新次)等をくぎりとする説がみられ,その多くが彫刻史の側から提唱されている。…

【鞍作止利】より

…飛鳥時代の仏師。生没年不詳。止利(鳥)仏師ともよばれるが正しくは司馬鞍作首止利(しばのくらつくりのおびととり)。南梁からの帰化人司馬達等の孫というが,4世紀ごろに帰化した司馬一族の〈鞍作村主〉の子孫ではないかと考えられ,また朝鮮(百済)からの帰化人とする説もある。鞍作(鞍作部)の名が示すように馬具をつくる技術者集団の首長であったが,6世紀末ごろに大陸から新形式の鞍の技術が輸入されたとき,配下の金工,木工,染織の技術者とともに,新しい技術を生かして仏像製作に転向したとも考えられる。…

※「法隆寺金堂釈迦三尊像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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