洞天福地(読み)どうてんふくち(その他表記)dòng tiān fú dì

改訂新版 世界大百科事典 「洞天福地」の意味・わかりやすい解説

洞天福地 (どうてんふくち)
dòng tiān fú dì

中国道教神仙の住むとされる名山勝境のこと。洞天は,壺中天と同じく,一つの限られた空間の中に全宇宙が存在するという考えから生まれたもののようであるが,同時に,それは地下霊界とつながりをもった聖なる場としての〈洞窟〉に対する原始的な信仰にも基づくものであろう。この考えが唐代になって整理され,十大洞天,三十六小洞天,七十二福地の名が定められた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の洞天福地の言及

【太湖】より

…淡水漁業も盛んで,特に銀魚(しらうお)は有名。湖中には洞庭西山をはじめ,大小48の島があり,東から突き出る半島とともに秀麗な風景を呈し,道教の神仙が住む勝境(洞天福地)として著名で,江南有数の景勝地となっている。太湖石【秋山 元秀】。…

※「洞天福地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む