日本歴史地名大系 「津之郷村」の解説 津之郷村つのごうむら 広島県:福山市旧沼隈郡地区津之郷村[現在地名]福山市津之郷町津之郷山手(やまて)村・佐波(さば)村の西に位置し、古代の津宇(つう)郷(和名抄)の中心地とされる。地名の由来は古代に穴海(あなのうみ)が当地辺りまで入込んで港であったことによると思われる。中世以降の山陽道が通る。当地には、縄文後期・晩期および弥生中期・後期の本谷(ほんだに)遺跡、弥生前期後半から平安時代にかかるザブ遺跡、古墳後期の坂部(さかべ)古墳群がある。また津之郷を中心に山手・神島(かしま)・佐波・瀬戸(せと)地域の平地には条里制遺構と思われる地割が顕著である。中世には赤坂(あかさか)・郷分(ごうぶん)・山手とともに嘉元四年(一三〇六)の昭慶門院御領目録(竹内文平氏旧蔵文書)にみえる津本郷(つほんごう)に含まれていたと考えられ(水呑町史)、明徳四年(一三九三)四月七日付備後国御料所注文(細川文書)には守護料所として津郷領家職・公文職がみえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by