旧沼隈郡地区(読み)きゆうぬまくまぐんちく

日本歴史地名大系 「旧沼隈郡地区」の解説

旧沼隈郡地区
きゆうぬまくまぐんちく

現福山市域のうちおよそ沼隈半島基部から、東部とも西部松永まつなが湾に面する藤江ふじえ町に至る地域で、山陽道(国道二号)・国鉄山陽本線・同山陽新幹線が通る。鞆は奈良時代以来の港津として「万葉集」にみえ、かつて芦田あしだ川河口であった草戸くさど町は中世に栄えた草戸千軒町くさどせんげんちよう遺跡で知られる。

江戸時代当地域は沼隈郡で一町二八村(天保郷帳)あり、水野氏断絶から松平氏入封に至る一時期を除いては福山藩領であった。明治二二年(一八八九)の町村制施行により郷分ごうぶん村・山手やまて村・神島かしま村・佐波さば村・草戸村津之郷つのごう村・赤坂あかさか村・瀬戸せと村・熊野くまの村・水呑みのみ村・田尻たじり村・鞆町・走島はしりじま村・村・本郷ほんごう村・ひがし村・今津いまづ村・松永まつなが村・柳津やないづ村・金江かなえ村・藤江村となったが、昭和八年(一九三三)神島村佐波村・草戸村、同一七年郷分村・山手村、同三一年津之郷村・赤坂村・瀬戸村・熊野村および鞆町(昭和一七年田尻村・鞆町・走島村が合併)・水呑町(昭和二二年町制施行)が福山市に編入、一方昭和二八年松永(明治三三年町制施行)と今津町(大正一五年町制施行)が合併して成立した松永町を核に同二九年神村・本郷村・東村柳津村・金江村・藤江村が合併して松永市が成立。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報