デジタル大辞泉
「福山市」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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福山市
ふくやまし
面積:三六四・一五平方キロ
瀬戸内地域のほぼ中央に位置し、燧灘に南面する。芦田川が形成する沖積平野を中心に、周囲の山地と南部に突出した沼隈半島、北部断層角窪地を芦田川やその支流の流す土砂が埋めて形成した帯状の沖積地を市域とし、旧深津郡の全域と安那・品治・芦田・沼隈郡の各一部よりなる。北から右回りに神石郡三和町・岡山県後月郡芳井町・深安郡神辺町・岡山県笠岡市・沼隈郡沼隈町・尾道市・御調郡御調町・府中市・芦品郡新市町と接する。
福山の地名は元和五年(一六一九)備後一〇万石の領主として入封した水野勝成が、西国鎮衛の城郭として福山湾を埋めて、俗称蝙蝠山(常興寺山)に築城し、城下町を形成したときに命名したものである。名称の由来は城山の蝙蝠山の蝠が福に通じるゆえとか、筋鉄御門の西内堀側にある老松が叢生した小丘を福山と称していたとか、あるいは城下南の水呑村宝山に対した称とかいわれるが、いわゆる寿山福海の嘉名によるものであろう。
〔原始〕
福山湾岸や松永湾岸には縄文早期の住居跡や貝塚が点在する。なかでも松永湾岸の馬取貝塚は縄文早期に始まって、前期・中期・後期・晩期と断続して層位的に遺物包含層や貝層をとどめ、長期にわたる居住の跡がみられる。付近に下迫貝塚・市場遺跡などの中・後期の遺跡が存在し、尾道市に属する大田貝塚とともに県下でも最も密集した縄文遺跡群をなしている。福山湾岸では早く発見された大門貝塚(前・中・後・晩期)を東に、木之庄貝塚・本谷遺跡・洗谷貝塚・浜貝塚などの中・後期の遺跡が並び、なかでも洗谷貝塚は早期押型文土器に始まって後期まで断続して人が住みついていたことが知られ、海岸に並ぶ集落の存在を物語っている。やがて大陸から伝えられた農耕文化は、福山市域の海岸平野や神辺平野に広がる。
北九州から瀬戸内海を東上した前期の弥生文化は、まず神辺平野の中心部にある神辺町道上の亀山遺跡に痕跡を残すが、市内駅家町中島の手坊谷遺跡群では竪穴住居跡五基・溝状遺構・土壙墓などが検出され、その続きの池之内遺跡では住居跡三三基が発掘され、農耕具のほかに多量の石鏃・石斧・刃器が見つかった。農耕とともに狩猟もなお有力な生活手段であったことが知られる。
芦田川が当時の福山湾に達する河口の郷分町草木遺跡は、下層から縄文晩期の土器を出土、その上に弥生前期・中期・後期と住続けた遺跡である。この集落の人々が祀ったと思われる巨岩のもとからは銅剣が出土。
福山市
ふくやまし
2005年2月1日:福山市が沼隈郡沼隈町を編入
⇒【福山市】[変更地名]広島県
⇒【沼隈町】広島県:沼隈郡
福山市
ふくやまし
2006年3月1日:福山市が深安郡神辺町を編入
⇒【福山市】[変更地名]広島県
⇒【神辺町】広島県:深安郡
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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福山〔市〕
ふくやま
広島県南東端,瀬戸内海に臨む中核市。 1916年市制施行。 1956年水呑町,鞆町の2町および引野村,市村,千田村,御幸村,津之郷村,赤坂村,瀬戸村,熊野村の8村,1962年深安町を編入。 1966年松永市と合体。 1974年芦田町,1975年加茂町,駅家町をそれぞれ編入。 1998年中核市に移行。 2003年内海町,新市町,2005年沼隈町,2006年神辺町を編入。中心市街地の福山は芦田川三角州に位置し,元和5 (1619) 年水野氏が築城して以来,城下町として発展。上水道整備などの水利事業,海面の干拓事業などが積極的に行なわれた。 1891年山陽鉄道開通後は,繊維などの地場産業や商業が発達。 1963年岡山県南西部を含め備後工業整備特別地域に指定され,1966年世界最大規模の製鉄所が立地して近代工業都市となった。鉄鋼,機械,ゴム,食品工業のほか,伝統の備後絣,畳表 (→備後表 ) ,下駄,琴などの製造も行なわれる。南西部の鞆は,瀬戸内海国立公園に属し,タイ網で有名。芦田川下流右岸の水呑,北部の駅家,芦田,神辺は織物業地域。加茂には弱電機関係の工業があり,西部の松永はかつて塩田と下駄製造で知られた。周辺農村部では米作,イグサ,果樹などの栽培が行なわれる。国宝に指定されている明王院の五重塔,本堂をはじめ,国指定特別史跡の廉塾ならびに菅茶山旧宅 (→菅茶山 ) ,国指定史跡の福山城跡,宮の前廃寺跡,朝鮮通信使遺跡,国の名勝である鞆公園など文化財,景勝地が多い。北部一帯は山野峡県立自然公園に属する。市域南部は交通が集中し,山陽自動車道や国道2号線,182号線,313号線,486号線,山陽新幹線,JR山陽本線,福塩線,井原鉄道が走る。福山港から多度津 (香川県) へフェリーが就航。面積 518.14km2。人口 46万930(2020)。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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