津波防災支援システム(読み)つなみぼうさいしえんしすてむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「津波防災支援システム」の意味・わかりやすい解説

津波防災支援システム
つなみぼうさいしえんしすてむ

東北地方に設置された津波の監視システム。「GPS全地球測位システム波浪計」で観測した潮位変動をインターネットを通じてリアルタイムで沿岸自治体や海上保安庁に伝達すると同時に、浸水予測地図を表示する。2008年度(平成20)に国土交通省東北地方整備局が運用を開始した。東北沿岸の沖合20キロメートルの地点に10基(太平洋側に7基、日本海側に3基)のGPS波浪計を設置。GPS波浪計が20センチメートル以上の潮位変化を観測した場合、データを基に津波の高さや到達時間、流速などを算出して沿岸自治体に送り、通報を受けた沿岸自治体が、職員、消防署員、消防団員の携帯電話にメール送信することを想定していた。しかし、2011年の東日本大震災の際には三つの自治体でしか使われていなかったり、停電混乱などでシステムが有効に活用されなかったりしたことなどから、システム全体の強化が図られている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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