日本大百科全書(ニッポニカ) 「洱海」の意味・わかりやすい解説
洱海
じかい / アルハイ
中国、雲南(うんなん/ユンナン)省の西部の湖。形が耳に似ていることからこの名がつけられた。面積は約250平方キロメートル、湖面の標高は1980メートル。周囲は雲貴高原上に散在する断層盆地の一つで、盆地内の低地に北から流入する西洱河(せいじが)の水がたまり、湖を形成した。湖の南から漾濞江(ようひこう)が流出し、瀾滄江(らんそうこう/ランツァンチヤン)(メコン川)に注ぐ。湖内の3島(金梭(きんさ)島が最大)や西岸の点蒼(てんそう)山をはじめとして景勝地が多い。湖岸の肥沃(ひよく)な平野は、古くから稲作が行われ、唐代には南詔(なんしょう)国、宋(そう)代には大理(だいり)国の中心地であった。湖内は漁業が盛んで、特産の「弓魚」(コイ科の魚)が生息する。
[青木千枝子]