流動ばい焼炉(読み)リュウドウバイショウロ

化学辞典 第2版 「流動ばい焼炉」の解説

流動ばい焼炉
リュウドウバイショウロ
fluidized roaster

】硫化鉱などの粒子を空気で吹き上げ,流動層にしてばい焼を行う装置.精密な温度制御が容易で,固体粒子を液体と同様に連続的に溢(いつ)流させることもでき,高温度における機械的運動部分もなく,故障が少ないなど,もっともすぐれたばい焼炉の一つである.高温で砂を流動層にしたなかへ固体廃棄物を供給して,分解,燃焼させる流動焼却炉もこの応用の一つである.【硫化鉄鉱を原料とする硫酸用二酸化硫黄製造の例では,フルオソリッド式(アメリカ,Dorr社),ルルギ式(ドイツ,BASF社),住友式(住友化学),そのほかがある.炉に圧入した微粉鉱を自燃させ,流動化し,炉の底から空気を吹き込むと鉱石粒子は沸騰状になり,固-気接触は良好である.鉱石処理量は火床1 m2 当たり,硫黄48% の鉱石100 t d-1 以上が多い.SO2濃度7~15%,ばい焼効率97~99%.この方式では,硫黄16% 以上の鉱石であれば,単独ばい焼が可能で,炉内温度調節,均一化が任意にでき,高濃度の均一ガスが得やすい.多段床炉の数倍の処理能力があるが,ガス流に伴うダストが多く,除じん処理が大切である.[別用語参照]接触式硫酸製造法硝酸式硫酸製造法

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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