主として黄鉄鉱FeS2,白鉄鉱FeS2または磁硫鉄鉱Fe1-xSなどの硫化鉄鉱物からなる鉱石で,塊状鉱として天然に産するもの以外に,銅,鉛,亜鉛などの鉱石を浮選にかけた場合に副産物として生産される粉状の硫化鉄鉱物からなる精鉱も硫化鉄鉱と呼ばれる。硫化鉄鉱は焙焼して硫酸を取り出すのに利用される。天然に硫化鉄鉱を産する鉱床としては,キースラーガーkieslager(層状含銅硫化鉄鉱床),黒鉱鉱床,キプロス型塊状硫化物鉱床,陸上火山噴気型硫黄-硫化鉄鉱床などがある。日本では秋田県北部の小坂,花岡,釈迦内,相内,古遠部,花輪などの黒鉱鉱床と岡山東部の柵原層状硫化鉄鉱床などがおもな産地である。
執筆者:鞠子 正
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
鉄の硫化物鉱.日本では黄鉄鉱(pyrite)FeS2がおもなので,通常,これをさす.【Ⅰ】黄鉄鉱および白鉄鉱:FeS2(S 53.46%,鉱石で産出するものはS 35~50%).白鉄鉱(斜方晶)から450 ℃ で黄鉄鉱(等軸晶)へ転移する.白鉄鉱は空気中,常温でも硫酸鉄(Ⅱ),硫酸を生じ反応性に富むが,黄鉄鉱は安定である.黄鉄鉱は正六面体,正八面体,五角十二面体結晶で,母岩にまざって産出する.白鉄鉱はやり状,放射状結晶で,黄鉄鉱,硫黄とまざって産出する.[CAS 12068-85-8][CAS 1309-36-0:pyrite][CAS 1317-66-4:marcasite]【Ⅱ】磁硫鉄鉱(pyrrhotite):Fe1-xS(FeSまたはFe7S8に相当,Fe7S8としてはS 39.34%.磁硫鉄鉱の鉱石ではS 25~30%).着火温度は500 ℃ と高いが,不安定で自然発火のおそれがある.二酸化硫黄製造原料に用いられる.[CAS 12518-96-6]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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