硫化鉄鉱(読み)リュウカテッコウ

化学辞典 第2版「硫化鉄鉱」の解説

硫化鉄鉱
リュウカテッコウ
pyrite

の硫化物鉱.日本では黄鉄鉱(pyrite)FeS2がおもなので,通常,これをさす.【黄鉄鉱および白鉄鉱:FeS2(S 53.46%,鉱石で産出するものはS 35~50%).白鉄鉱(斜方晶)から450 ℃ で黄鉄鉱(等軸晶)へ転移する.白鉄鉱は空気中,常温でも硫酸鉄(Ⅱ),硫酸を生じ反応性に富むが,黄鉄鉱は安定である.黄鉄鉱は正六面体正八面体,五角十二面体結晶で,母岩にまざって産出する.白鉄鉱はやり状,放射状結晶で,黄鉄鉱,硫黄とまざって産出する.[CAS 12068-85-8][CAS 1309-36-0:pyrite][CAS 1317-66-4:marcasite]【磁硫鉄鉱(pyrrhotite):Fe1-xS(FeSまたはFe7S8に相当,Fe7S8としてはS 39.34%.磁硫鉄鉱の鉱石ではS 25~30%).着火温度は500 ℃ と高いが,不安定で自然発火のおそれがある.二酸化硫黄製造原料に用いられる.[CAS 12518-96-6]

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日本大百科全書(ニッポニカ)「硫化鉄鉱」の解説

硫化鉄鉱
りゅうかてっこう
iron sulphide

硫化鉄鉱物総称。現在までに知られているものは、黄鉄鉱(FeS2)、白鉄鉱(FeS2)、グリグ鉱(Fe2+Fe3+2S4)、スマイス鉱(Fe9S11)、磁硫鉄鉱(~Fe7S8)、トロイリ鉱(FeS)、マッキノー鉱(~FeS1-X)などがある。いずれも焙焼(ばいしょう)して硫黄(いおう)を除去したのち、鉄鉱石として用いられることがある。

[加藤 昭]

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百科事典マイペディア「硫化鉄鉱」の解説

硫化鉄鉱【りゅうかてっこう】

鉄の硫化鉱物の総称。最も多いのは黄鉄鉱,磁硫鉄鉱で,焙焼(ばいしょう)して硫酸製造に用い,その残りは硫酸滓(さい)。日本は硫化鉄鉱資源に恵まれ,種々の型の鉱床が全国に分布していた。岡山県の柵原(やなはら)鉱山が代表的。
→関連項目磁硫鉄鉱

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「硫化鉄鉱」の解説

硫化鉄鉱
りゅうかてっこう
iron sulfide

鉱物名としては,鉄の硫化鉱物すなわち黄鉄鉱,白鉄鉱,グレーグ鉱,スミス鉱,マッキナー鉱,磁硫鉄鉱,トロイライトなどの総称。鉱石名としては,硫黄や硫酸原料 (ときに鉄原料) として採掘される硫化鉄鉱物の総称。

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精選版 日本国語大辞典「硫化鉄鉱」の解説

りゅうか‐てっこう リウクヮテックヮウ【硫化鉄鉱】

〘名〙 硫化鉄を主成分とする鉱物の総称。黄鉄鉱・白鉄鉱・磁硫鉄鉱など。

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世界大百科事典 第2版「硫化鉄鉱」の解説

りゅうかてっこう【硫化鉄鉱 iron sulfide ore】

主として黄鉄鉱FeS2白鉄鉱FeS2または磁硫鉄鉱Fe1-xSなどの硫化鉄鉱物からなる鉱石で,塊状鉱として天然に産するもの以外に,亜鉛などの鉱石を浮選にかけた場合に副産物として生産される粉状の硫化鉄鉱物からなる精鉱も硫化鉄鉱と呼ばれる。硫化鉄鉱は焙焼して硫酸を取り出すのに利用される。天然に硫化鉄鉱を産する鉱床としては,キースラーガーkieslager(層状含銅硫化鉄鉱床),黒鉱鉱床,キプロス型塊状硫化物鉱床,陸上火山噴気型硫黄‐硫化鉄鉱床などがある。

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