排ガスや大気中に含まれる個体微粒子の総称.燃料の燃焼,金属の加熱によって生じるばいじん,物の破壊あるいは堆積物からの飛散によって生じる粉じんのほか,火山の噴火,海塩や土壌などの自然現象を起源とするものも多い.粒子の大きさについては明確な規定はないが,粒子が大きく比較的速く沈降するものは,降下ばいじんとよばれる.一方,粒径が小さい(10 μm 以下)ものは浮遊粒子状物質(SPM)といわれる.これまでセメント工場など無機材料工場では,原料の粉砕などによるダスト公害や,アスベストの健康に与える影響が社会問題となった.また最近では,部屋のなかのハウスダストとよばれる有害な浮遊じん(ダニの糞や死骸,かびの胞子など)が,アレルギーの原因物質として問題となっている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また,自動車排気中の汚染物質が太陽光線の作用をうけて生成する白いスモッグをロサンゼルス・スモッグといい,55年の夏には300人以上の死者を出したという。このような大気汚染で問題になるのは粒径が10μm以下の浮遊粒子状物質で,ダスト,ヒューム,ミストに分類される。ダストは固体粒子,ヒュームは凝縮固体粒子,ミストは液体粒子である。…
…礫や粗い砂はよほどの強風でないと動かない。シルトは粒子間の凝集力などのために動きにくいが,いったん動くと上空に舞い上がり,ダスト(風塵)として遠方へ運ばれる。したがって,4~5m/sをこえる風が吹き続けると,砂は表面に沿って動き始め(表面匍行surface creep),やがて,跳ね飛んで移動(跳躍saltation)するようになる。…
※「ダスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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