改訂新版 世界大百科事典 「流星カメラ」の意味・わかりやすい解説
流星カメラ (りゅうせいカメラ)
meteor camera
流星の写真を撮影する目的のカメラ。そのためにカメラを特別に設計製作することもあるし,他のカメラを転用することもある。能率的に流星を撮影するには,写野の広いこと,明るい光学系であることが必要であり,そのためにいろいろのくふうがされる。数台のカメラを組み合わせて写野を広くすることも行われ,4連カメラなどがよくみられる。流星の角速度を知るため,毎秒数十回の割合で視野を開閉する回転シャッターなどがよく装備される。流星カメラで撮影した流星写真からは,流星軌道などに関する有力な情報が得られる。有名な流星カメラには,ハーバード大学で使用したスーパー・シュミット・カメラ,アメリカ北東部で火球観測に使った航空写真用広角カメラT-11を改造したものなどがある。最近は高感度テレビカメラも流星カメラとして使用され,良好な観測結果が得られている。
執筆者:長沢 工
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報