浄光明寺境内-冷泉為相墓(読み)じょうこうみょうじけいだいれいぜいためすけはか

国指定史跡ガイド の解説

じょうこうみょうじけいだいれいぜいためすけはか【浄光明寺境内-冷泉為相墓】


神奈川県鎌倉市扇ガ谷にある寺院。浄光明寺は、鶴岡八幡宮境内西側の扇ガ谷(おうぎがやつ)の支谷、泉ヶ谷の入り口に位置し、古義真言宗泉涌寺派の寺院で、1251年(建長3)、北条時頼・長時の発願により真阿(しんあ)を開山として創建された。歌人でもある公家の冷泉為相は、所領などをめぐる相論(そうろん)のためにしばしば鎌倉に下向、この間に執権北条貞時や将軍久明親王(ひさあきしんのう)主催の歌会にたびたび出席し、和歌連歌を教授し、鎌倉歌壇を隆盛に導いた。1927年(昭和2)に浄光明寺阿弥陀堂の裏山にある石塔が冷泉為相墓として国の史跡に指定された。石塔は南北朝時代の様式をよく示す宝篋印塔(ほうきょういんとう)。浄光明寺は当初、念仏持戒の寺であったが、後に浄土華厳・真言・律・天台・禅の兼学道場となり、中世鎌倉における仏教教学の中心の一つとなったことから、その境内も2007年(平成19)に史跡に追加指定され、名称変更された。JR横須賀線ほか鎌倉駅から徒歩約18分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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