浮逃(読み)ふとう

精選版 日本国語大辞典 「浮逃」の意味・読み・例文・類語

ふ‐とう‥タウ【浮逃・浮宕】

  1. 〘 名詞 〙 奈良平安時代課役負担を逃れるため公民本貫(ほんがん)の地を離れて他郷へ流出すること。
    1. [初出の実例]「凡浮迯絶貫。〈謂。浮者。浮浪也。迯者。迯亡也〉」(出典令義解(718)戸)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の浮逃の言及

【浮浪・逃亡】より

…当時の人々は戸籍計帳に登録され,その本籍地(本貫)に居住せしめられたが,きびしい規制のもとでも,本籍地を離脱して流浪したり他所に居住したりする者があった。両者をあわせて〈浮逃〉とも略称される。通説的見解では,律令本来の規定としては,本籍地を離脱した者のうち,他国にあって課役を全部出す場合が浮浪であり,課役を出さない場合が逃亡であるが,現実政治の上では両者はしばしば混同されて扱われた。…

※「浮逃」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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