最新 地学事典 「海洋底変成作用」の解説
かいようていへんせいさよう
海洋底変成作用
ocean-floor metamorphism
海嶺において高い地温勾配のもとで海水の浸透と循環によって玄武岩・ドレライト・斑れい岩が受ける熱水変成作用。大洋底変成作用とも。A.Miyashiro et al.(1971)提唱。一般的には上部の枕状溶岩からドレライト岩脈層における沸石相・緑色片岩相に相当する低圧型変成作用であるが,まれにドレライト層下部~斑れい岩層上部まで達し,角閃岩相に相当する変成作用がある。熱水の循環によってもとの玄武岩質岩石は含水状態になるとともに,Na2Oの付加(沸石相),CaO・SiO2の除去と移動(緑色片岩相)などの物質移動によって岩石組成が変化する。オフィオライトに特徴的なスピライト玄武岩は海洋底変成作用によるもの。海洋底変成作用は海嶺における重金属堆積物の形成,海水組成の変化をもたらす。また,海洋プレート沈込み帯(島弧)のマントルにおける含水マグマの形成には,この熱水作用を受けた海洋地殻の脱水作用が重要な役割を果たしていると考えられている。参考文献:A.Miyashiro et al.(1971) Phil.Trans. Roy. Soc. London, Vol.268
執筆者:小松 正幸
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

