浸透(読み)シントウ

デジタル大辞泉 「浸透」の意味・読み・例文・類語

しん‐とう【浸透/×滲透】

[名](スル)
水などが、しみとおること。「雨水地下浸透する」「堤防浸透破壊」
思想風潮雰囲気などがしだいに広い範囲に行きわたること。「新しい生活様式国民浸透する」
ある液体または気体が、半透膜を通過して、他の液体または気体と混じり合い拡散する現象。「浸透
[類語](1染みる滲む染み入る染み込む染み透る染み渡る染み出す染み出る/(2徹底広がる広まる行き渡る流布るふ伝播でんぱ波及弥漫びまん蔓延まんえん伸展発展はびこるのさばる流行猖獗しょうけつ跋扈ばっこ跳梁ちょうりょう横行

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改訂新版 世界大百科事典 「浸透」の意味・わかりやすい解説

浸透 (しんとう)
osmosis

多孔性の膜や粉体層を通して溶媒水溶液の場合には水)が濃度差によって移動する現象。たとえばタンパク質のような高分子量の物質を含む水溶液を,セロハン膜のような水を通すが高分子量の物質を通しにくい膜(半透膜)で包み純水中に浸すと,膜の両側の濃度を等しくするように,水が膜を通ってタンパク質水溶液中に入っていく。一般には完全な半透膜は得られないので,水が溶液側に移行するとともに,タンパク質の一部が純水側に移行し,長い時間の後には両側の溶液は均一になる。水の移動を浸透,溶質の移動を透析といい,一般には浸透と透析が同時に起こることが多い。現在,いろいろな孔径をもつ膜がつくられ,種々の大きさの溶質に対する半透膜として利用されている。塩化ナトリウムNaClのような塩類を通さない膜も開発され,このような膜で塩溶液と純水とを仕切ると,浸透によって水が膜を通って塩溶液のほうに移っていく。塩溶液に水の浸透する力(浸透圧)に抗する以上の圧力を加えると,逆に水が塩溶液から膜を通って出ていく。これを逆浸透という。逆浸透によって海水などの塩溶液から淡水をつくることができる。特別の方法でつくられた酢酸セルロース膜やポリアミド膜は,水を比較的よく通すが塩類をほとんど通さず,逆浸透膜と呼ばれ,海水の脱塩による淡水の製造に広く用いられている。
逆浸透法
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化学辞典 第2版 「浸透」の解説

浸透
シントウ
osmosis

純溶媒と溶液(あるいは希薄溶液と濃厚溶液)が半透膜を隔てて接するとき,溶液を薄める方向に半透膜を通して溶媒が自発的に移動する現象.溶液の一般的性質である.浸透の結果,溶液側の圧力は高まる.逆に,浸透を阻止するためには溶液側に過剰圧を加える必要がある.動物膜(例;ブタの膀胱膜)を通しての水から砂糖水溶液への水の浸透は,もっともよく知られた例である.[別用語参照]浸透圧浸透圧計

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「浸透」の意味・わかりやすい解説

浸透【しんとう】

液体や気体が細孔質の壁や膜を拡散によって透過する現象。狭義には濃度の異なる二つの溶液を半透膜で互いに仕切った場合,溶媒が両側の溶液濃度差を小さくする方向に半透膜を透過すること。
→関連項目拡散浸透圧

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栄養・生化学辞典 「浸透」の解説

浸透

 半透膜を介して高濃度の側から低濃度の側へ溶媒が移動する現象.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浸透」の意味・わかりやすい解説

浸透
しんとう

拡散」のページをご覧ください。

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