…1930年代から50年代にかけて,チャンバラ活劇のもう一方のジャンル,騎士道映画とともに盛んにつくられた。海賊映画のスターには,エロール・フリン(《海賊ブラッド》1935,《シー・ホーク》1940,《すべての旗に背いて》1952),タイロン・パワー(《海の征服者》1942),ポール・ヘンリード(《海賊バラクーダ》1945),ルイス・ヘーワード(《地中海の虎》1949,《海賊船長》1952)らがいるが,バート・ランカスター,カーク・ダグラス,リチャード・ウィドマークらの〈現代劇〉のスターも海賊映画に出演している。ジーン・ピーターズ(《女海賊アン》1951),モーリン・オハラ(《すべての旗に背いて》1952)といった女海賊スターも生まれ,またミュージカル版としてジーン・ケリー主演の《踊る海賊》(1948),コメディ版としてアボット&コステロの《凸凹宝島騒動》(1942)などがある。…
…タスマニアに生まれ,オーストラリアとイギリスの学校でたびかさなる放校処分をうけ,15歳のときから探検家を志してシドニーやニューギニアを転々とし,1933年,オーストラリアのセミ・ドキュメンタリー映画に出演したのがきっかけでイギリスに渡り,ワーナー・ブラザースのロンドン支社製作のB級ミステリー映画の主役を演じてから,35年にハリウッド入りした。マイケル・カーティス監督の《海賊ブラッド》(1935)にロバート・ドーナットに代わって起用されたのが成功し,〈ハンサムな活劇スター〉として人気を得る。つづいてカーティス監督の《進め竜騎兵》(1936),《ロビンフッドの冒険》(1938),《シー・ホーク》(1940)などで人気の頂点に達し,〈マネー・メーキング・スター〉のベストテンにも入り,その後もラオール・ウォルシュ監督の《壮烈第七騎兵隊》(1941),《鉄腕ジム》(1942)などで面目を保つが,スクリーンの外では〈ハリウッドのカサノバ〉と称されてスキャンダルのヒーローとなり,飲酒と薬物常用も災いして40年代の後半には衰退の道をたどる。…
※「海賊ブラッド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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