海部庄(読み)あまのしよう

日本歴史地名大系 「海部庄」の解説

海部庄
あまのしよう

東大寺領荘園。郡名から名付けられたもので、海部郡内に存在したと思われるが、詳細は不明。弘安八年(一二八五)尾張国東大寺領諸荘注進状写(東大寺文書)中に

<資料は省略されています>

とあり、当庄は天平勝宝四年(七五二)の勅施入により成立したと記されている。これに関して、久安三年(一一四七)四月一七日付の東大寺印蔵文書目録(東大寺文書)をみれば、「尾張庄文書一結 勅旨田施入状一通天平勝宝四年八月廿七日八枚」とあり、天平勝宝四年八月二七日付の勅旨田施入状の存在を記している。この日付からすれば、東大寺大仏開眼の直後の施入である。次いで仁平三年(一一五三)四月二九日付の東大寺諸荘園文書目録(守屋孝蔵氏蔵)には、尾張国の荘園文書の目録を記すなかで、「庄々惣券七箇所 一巻八枚 天平勝宝四年官牒立券」の記載がみえ、これもまた、尾張国内に存在する東大寺領荘園が、天平勝宝四年に成立したことを記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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