普及版 字通 「淮」の読み・字形・画数・意味
淮
11画
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は隹(すい)。隹に維(い)・堆(たい)の声がある。〔説文〕十一上に、南陽より東南流して海に入る水名とする。古くその域に淮夷とよばれる夷系の族があり、下流に青蓮崗文化がさかえ、歴史時代に入っては金や織物などの物産があった。西周後期の〔兮甲盤(けいこうばん)〕に「淮夷は(もと)我が畝(はくほ)の人(たみ)なり」と、その産物を朝貢することを述べている。のち春秋期にわたってしばしば中原諸族の侵寇を受けた。〔詩、大雅、江漢〕〔詩、魯頌、水〕などに、淮夷を伐ち、その献捷のことを歌っている。
[訓義]
1. 川の名、淮水。またその地に住む淮夷。
2. 匯(かい)・囲と通じ、かこむ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕淮 トマリ・ヒロシ 〔字鏡集〕淮 トマリ・アラフ・ヒロシ・ソソグ・アツム
[声系]
〔説文〕に淮を「乖(こくわい)切」とし、淮声として匯十二下を録し、「胡罪切」の附音がある。それが字の本音であろう。
[語系]
淮はもと水の曲会集する意をもつ語であろう。淮・回huiは同声。(違)hiuiも、もとめぐる意の語である。會(会)huat、(運)hiunも、声義に通ずるところがある。
[熟語]
淮夷▶・淮枳▶・淮▶・淮豆▶・淮▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報