淮夷(読み)わいい(その他表記)Huái yí

改訂新版 世界大百科事典 「淮夷」の意味・わかりやすい解説

淮夷 (わいい)
Huái yí

中国,殷代から春秋時代に淮水流域にいた民族。〈東夷〉の一つで,水稲農耕を主とした。西周の初め,周公旦摂政に反発した管叔鮮・蔡叔度の挙兵に殷民・徐夷とともに加わった。このため周公は東征を行い,洛邑(のちの洛陽)を新営してこれら東夷のおさえとした。周から穀物,帛(はく),労役の重い負担を課せられ,その後も反乱をくりかえした。その地は呉に,ついで楚にあわせられ,戦国期初めには漢民族混血,融合した。
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普及版 字通 「淮夷」の読み・字形・画数・意味

【淮夷】わいい

古く淮域にいた沿海族。〔詩、魯頌、水〕憬(はる)かなる彼の淮夷 來(きた)りて其の(ちん)(宝)を獻ず 元龜象齒あり 大いに南金を賂(おく)る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「淮夷」の意味・わかりやすい解説

淮夷
わいい
Huai-yi; Huai-i

中国,古代の民族名。殷・周時代には,黄河流域を中心とする中原の諸族とは文化系統を異にする夷系の諸族が江淮に活躍しており,東夷,東南夷などと呼ばれた。この淮夷もその一つで,淮水流域を中心とする族を呼んだものであろう。勢威強く,殷,周の2王朝にとってその制圧は大きな課題であり,西周期にもしばしば侵入を受けた。

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